四季折々(日々彦の文芸欄)

日々彦の詩歌句ノート、随筆、講演、紀行文など

◎「ワクチン接種」のことなど「四季折々」(2021年4月11日~17日)

〇病とともに「四季折々」(2021年4月11日~17日)

(11日)○4/11NHK俳句。題「菜の花」。選者・鴇田智哉、ゲスト・「かもめんたる」の岩崎う大、司会・岸本葉子。

 第二週は次世代を担う俳人に半年ごと選者を託す。前半期の選者は鴇田智哉。

「入選句」

・菜の花を怒りの色と思ふまで 神奈川県大和市 佐藤直哉 特選一席

・菜の花に包まれて撮る核家族 新潟県新潟市 盛田 実 特選ニ席

・熱湯に放つ菜花のひらきけり 神奈川県相模原市 柴田康子 特選三席・

・菜の花の野に沈みゆく水晶体 長崎県長崎市 楢山孝明

鴇田智哉の今年度テーマ・「句のひとみ」=「句のひとみとなって俳句を読む」

・遠足が真昼の山に来てもどる 鴇田智哉 ※山のひとみになってなのか

・霜掃きし箒しばらくして倒る 能村登四郎 ※箒のひとみになってなのか

・花人の連なるさまの蛇腹めく 鴇田智哉 ※花人の列が「蛇腹」と見るのが面白い。

鴇田 智哉(ときた ともや、1969年5月生)千葉県木更津市。1996年、「魚座」に入会、今井杏太郎に師事。2001年、「かなしみのあと」50句により第16回俳句研究賞受賞。2005年、第一句集『こゑふたつ』刊行、同句集で第29回俳人協会新人賞受賞。2015年、田島健一、宮本佳世乃、生駒大祐とともに季刊同人誌「オルガン」を創刊。同年、第二句集『凧と円柱』で第6回田中裕明賞受賞。

「水入れてコップの水の冬めける」「畳から秋の草へとつづく家」「人参を並べておけば分かるなり」など、師である今井杏太郎の恬淡とした句風を受け継ぎつつ、現実のパースペクティブを狂わせるような独特の作品を発表している。

「私は俳句を、記録や報告や手紙、あるいは日記とは違って、造形物とか音楽に近いものだと思ってきた。今もそう思っている。」

 ・菜の花や海のかなたの雲白し

 

(12日)〇NHKBSプレミアム『スパイの妻』を観る。

 ベネチア国際映画祭で黒沢清監督が銀獅子賞を受賞した話題作!戦争という時代のうねりに翻弄されながらも自らの信念と愛を貫く女性を蒼井優が熱演したラブ・サスペンス!

 内容:1940年。満州で偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまった優作は、正義のため、事の顛末を世に知らしめようとする。聡子は反逆者と疑われる夫を信じ、スパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、ただ愛する夫とともに生きることを心に誓う。太平洋戦争開戦間近の日本で、夫婦の運命は時代の荒波に飲まれていく…。

 金田まこちゃ氏の解説が参考になる。

 https://cinemarche.net/drama/wos-makotya/

 〈そんな時代背景の中でも、自身の幸せを追い求めようとした聡子の姿は力強く、黒沢監督も「個人が幸福を求めていくと、必ず壁に激突し、そこに緊張や葛藤が生まれる」と語っています。

『スパイの妻』は、太平洋戦争の是非を問う作品ではなく、どんな状況下でも幸せを追い求める人間ドラマであり、観客すらも煙にまく極上のミステリー作品でもあり、一言で表現すると最高の娯楽作品です。

「現代劇」ではなく「時代劇」で、原作もなく実話でもない、オリジナルの企画による、こういった見応えのある娯楽作品が誕生したというのは、今後の邦画において、かなり意味のある事ではないでしょうか?〉

 ・球根に未来の力風信子

 

(13日)〇「まん延防止等重点措置」と「ワクチン接種」

 大阪府と兵庫県は5日から来月5日までの1か月間「まん延防止等重点措置」が適用された。「まん延防止等重点措置」とは、緊急事態宣言が出されていなくても、集中した対策を可能にする「重点措置 」の事を指している。これは2021年2月に成立した 新型コロナ対策 改正特別措置法 で新設され、この措置がとられるのは初めての事。

  大阪府は13日、過去最多の1099人が新型コロナウイルスに感染し、感染者8人が死亡したと発表した。新規感染が千人を超えるのは初めて。

 数字は一つの目安に過ぎないが、傾向として感染状況はよくないし、何よりも重症者の割合が増えているという。

  身体の状態や肺機能が悪いので、感染したら重症化の恐れがあるので、気がかりである。だが、心配するのはもったいないので気楽に暮らしているが。

 そこでまず、高齢者などの接種がすすめられているワクチンについて、現状を調べた。

 ・ウイルスの漂ふ娑婆の杉花粉

 

(14日)〇「ワクチン接種」について

 【岩田健太郎氏に聞くワクチンによる「集団免疫」成立の3条件】より。

(毎日新聞 2021/3/8「國枝すみれ/統合デジタル取材センター」)

 《岩田:感染のスピードが上がる、既存のワクチンが効きにくくなる――。この二つが懸念材料です。病原性が高まった変異ウイルスの出現は今のところ強くは心配していませんが、可能性としては否定できない。新型コロナウイルスは、「ウイルス感染症ってこんなもんだよね」という我々の常識を、次々と破ってきているからです。

 ――新型コロナのワクチンはウイルスの遺伝子の一部を利用した新しい技術を使い、急ピッチで開発されました。長期的な副反応の心配はないのでしょうか。

 岩田:生物学的に言えば、ほとんど気にする必要はありません。米国のファイザー社とモデルナ社のワクチンで使われているメッセンジャーRNAは、人間の遺伝子に組み込まれたりしないし、とても脆弱(ぜいじゃく)で細胞の内でも外でも1週間ほどで壊れてなくなります。有機水銀のように身体の中に残ってずっと作用して水俣病を引き起こすようなことはないのです。(中略)

  コロナに感染し、世界で250万人以上が死んでいます。コロナのワクチンは僕が知る限り、まだ誰も殺していません。感染する方がはるかに怖いのです。相対リスクの考え方が重要です。ワクチンはコロナの感染や発症、重症化を防ぐ点でとても効果が高いことは分かっているので、これを最大限活用することが大事です。》

  今のところワクチン接種は思っていないが、どうするか考えどころである。

・咲くままに散るままにして遅桜

 

(15日)〇特定検診を受ける。

 Kライフプラザで妻と特定検診を受ける。癌の早期発見は大事とは思うものの、特に体に異変を覚えなかったらなるべく医療機関にかからないようにと思っていて、あまり熱心ではなく、2年ぶりに受診した。

 またこの時期、出来るだけ医療機関の活用は控えたい気持ちもあったが、このところ体調があまりよくないこともあり、どんな具合なのか知りたかったこともある。

 大腸がん、肺がん用の検査があり、2年に1度の胃がん内視鏡検査は喉の痛みもあり断った。その他、前立腺がん検診、心電図検査、骨粗しょう症検診を受けた。総額3200円。がん検診の結果は2週間ほどかかるとのことで、当日わかる範囲の結果による保健指導があった。血糖値のHbA1Cが高いほかは、数値的には安定しているとのこと。数字は一つの目安であり、保健指導も参考にするだけである。

 コロナ禍の中、各自の体調確認など検査体制を整え、職員たちの懸命な動きには頭が下がる。

 受診して意外だったのは、尿検査用の尿がなかなか取れなくて、こんなことは初めてで戸惑った。それと身体のふらつきがあるので、検査がスムーズに進まないように感じた。看護師が丁寧に対応してくれるので、たいしたことにはならないが。

 やはり、一年に一度の特定検診はうけて、適宜体の状態を掴んでおくことはしたいと思った。

・退院のこころ新し草若葉

 

(16日)〇限界に近づきつつある医療の現状

 2020年4月14日放送のクローズアップ現代【新型コロナウイルス 救える命を救えるのか  ~医療崩壊リスク・現場の訴え~】を観る機会があった。

《内容:新型コロナウイルスへの対応に追われる医療現場では、切迫した状況が続いている。患者が集中する病院は、「このままだと救える命が救えない」「自分たちだけでは限界がある」と危機感を訴える。さらに、高血圧などの高齢者にも危険が・・・。感染が怖くて病院にかかることを自粛してしまい、「数日で心肺停止になってもおかしくなかった」(医師)という人も出ている。どうすれば医療崩壊を防げるのか、現場からの訴えを伝える。》

 1年前に比べて、なお一層状況は厳しくなっていると思う。普段ギリギリのとこでやっているのに、医療物質などの不足状態も迫ってきて、自分たちも「もしかして」という不安状態が続いていて、ストレスを感じながらやっているウイルスとの戦争状態という。

 ウイルスそのものは有史以来人類と共存しているのだが、この度の新型コロナウイルスは、「ウイルス感染症ってこんなもんだよね」という我々の常識を、次々と破ってきていると言われている。

 そういうことがわかっても、個人的にはどうしようもできないが、医療現場にいる方々の奮闘を祈るばかりである。

・朧夜やこの息どこまで続くやら

 

(17日)〇Nスペ「看護師たちの限界線〜密着 新型コロナ集中治療室〜」を観る。

《内容:コロナ病棟で働く看護師たちに半年間密着したドキュメンタリー。一部の医療従事者に負担が集中していることや、使命感で治療が続けられている現実を明らかにしていく。

 東京で最大規模の医療機関である東京女子医科大学病院の集中治療室にカメラを据えた。防護服で体を覆い、汗だくで働く25歳の看護師は、ずっとホテルで一人暮らし。友達や家族にも会えない自粛生活。1年以上続くコロナとの闘いの中で心身共に疲れ果て、退職する看護師も出てきている。しかし、定年退職した看護師や妊娠8か月の看護師も現場に駆けつけ、仲間たちを支えた。第4波に備えて何ができるのか考えていく。》

 番組内で「自分の体と心が折れたら終わりという感じ」という医療従事者があったが、よく半年間も密着して、このような記録を撮り続けた方々の意欲と、それ以上にそれを受け入れた病院のスタッフ、看護師の方に驚嘆するものがあった。

 おそらくわたしに引き付けた場合は、たぶんこのような看護師の仕事を続けることはできないだろうと感じた。

 「自分の体と心が折れたら終わりという感じ」の発言があったが、その使命感とはどういうものだろうとも思った。

 付随して、カミュ『ペスト』の中で、ある使命感で戦い続けた人々、連帯感のことを考えた。

 ・何はとも寄り添ふ看護春寒し