〇病とともに「四季折々」(2020年10月18日~24日)
(18日)〇10/18NHK俳句。選者・西村和子、司会・岸本葉子、題「新酒」。
ゲスト・浅井慎平・寂しいぞ放哉海も暮れ切って(句集・THE LONG GOODBYE)
・又の名を海賊料理新走 西村和子
・新酒酌む沖の漁火窓に置き いわき市 中田昇 特選一席
・集ふこと叶はぬ年の新酒かな 尼崎市 佐藤一夫 特選一席、浅井も。・
・あらばしり勢ひもつてつがれけり 板橋区 鰐石忍 特選ニ席
・新酒一舐め薀蓄を一齣(くさり) 大野城市 佐竹白吟 特選三席
・船卸しみよしに撒きし新酒かな 山口県周南市 御江(みごう)恭子
※見事な「し」の踏韻。新船の進水式の様子。「みよし」は船の先端部分。
浅井慎平:「大体、兼題があった時にも自分はサボったりしててその句会の場で作ったりすることが多いのだが、なかなか出来ない時、自分は他の誰かになり切って詠む時がある」
・新酒酌む東京の陽の早や暮れて 浅井慎平(芥川龍之介になったつもりで)
・新酒酌む白磁の杯に紅残し 浅井慎平(久保田万太郎になったつもりで)
・滑舌のことによき日や新酒酌む 岸本葉子(寅さんになったつもりで)
・加筆一行叶はば酒はあらばしり 西村和子(清少納言になったつもりで)
「新酒」考。(※すえよしの俳句ブログより)
一般に言う「新酒」は、普通は、秋に収穫した米(新米)を使って、その年の冬から翌年の春にかけて造られたものを言う。そして公開されることを「蔵出し」と言う。特に新年の蔵出しを《開運》の縁起を込め、「鏡開」と同様「蔵開(くらびらき)」と呼んだ。
したがって「新酒」とは、早くて10月頃から造られるので、「新酒」と言えばこの頃から翌年3月ぐらいまでに造られたものを言い、言葉としてはその意味は広い。
新酒は、新鮮で爽やかな香味が特徴。俳句では「新酒」は秋(晩秋)の季語。
「新酒」の副題には、「今年酒、早稲酒、新走り、利酒、聞酒、新酒糟」などがある。最初に出来た新酒は「新走り(あらばしり)」と呼ばれる。
・何はともあれ夫婦二人の新走り
(19日)○二歳になる孫の誕生日プレゼント。
散歩も兼ねて、歩いて30分ほどの西松屋に孫の誕生日プレゼントを買いに行く。
いろいろ面白そうなものがいっぱいあり、見ているだけで楽しい。
その中でパソコン仕立ての玩具といろいろな可愛い犬の絵がいっぱいの上着を買う。
さて、本人の反応はどのようになるのか楽しみである
一歳の時は、犬のぬいぐるみを買い、とても喜んで、今でもいつも子分のように引き連れている。
結局、店で一時間半、往復一時間歩いて、その間立ち続けて、道は多少の凸凹があり、元気な時は何とも感じなかったが、それに足をとられて、帰りは少しふらつくこともあり、かなり疲れた。
このようなことが出来るのもいつまでか? そんなことを思った。
・吾子二歳豊かに生きよ花野原
(20日)〇孫の成長記録(姉・二歳、弟・二か月)
姉は10月20日の誕生日で満二歳。8月28日生まれの弟はもうすぐ二か月。
何かと二人の孫のどちらかをみることが続いている。
新生児を預かるのは、お姉ちゃんよりも、今のところだいぶ楽だ。
弟の様子を見ていると、姉の成長の軌跡を思い、二年という時間のもつ豊饒さを思う。
年をとっての一年は年齢分の一年であり、私の場合は七三年分の一年である。
姉はまるまる二年で、弟は二か月近くになり、その成長を目の当たりに感じる。
子どもの頃は時間はゆっくり流れ、年をとるほど早く流れるようになると言う。
姉をみていると一日一日が輝くように充実しているように思う。
姉は10月から保育園にいき、大泣きすることもあるようだが、ある程度楽しみにしているようだ。
出かける様子を見ていると、よそ行きの服を着て、「いってきます」と言わんばかりに、微笑んでバイバイをする。
・誕生日吾子どこまでも天高し
(21日)〇幼児のことばの発達とお姉ちゃん。
姉はことばも大分覚えて、しきりに何か言いかけるが、私にはよくわからないことが多い。妻はだいたい分かるらしく、孫も手ごたえを感じるのか、会話らしきことになっている。
また、妻の結構長い言い回しも、そのままオウム返しにぶつぶつ繰り返すので、二歳にしてはたいしたものだと妻も感心している。
幼児のことばの発達について次のように言われている。
➀自分では発語できないが他人の言葉の意味はわかり、動作や行動を示す「理解の段階」
②呼吸機能や発声機能を調整しつつ構音能力をつけ、言語音を正確に発声させる「模倣の段階」
③理解や記憶している語を発語する「生産の段階」
②模倣と➂生産をしきりにして、会話能力をぐんぐんつけていっているのではと思う。
最近のお気に入りは、携帯電話を使って一人語りをすること。
携帯電話の買い替えのときに、古い電源の入っていないものを、玩具代わりに与えたところ、わが家に来ると、それに目がいくことが多い。
「アッ もしもし」「いまいいですか」「はい---はい---はい」「すいませんね」
おそらくママを見ていて、その真似をしているのだろう。しかも歩きながら。
・まねをしてことば豊かに吾子さやか
(22日)〇お姉ちゃんと弟、そして弟の眼の輝き。
お姉ちゃんは弟の頭をナデナデしているようで、髪の毛を引っ張たりして、ママにしかられているらしい。
可愛がっているのか、遊んでいるのか見分けがつかないが、弟のことを何かと気にかけていることは感じる。
弟は、生まれた当初は視力もあまりなく、見えているものが何だかわからないだろうし、全体的にぼんやりしているように見えた。
日に日に見えているものが何だかわからないにしても、徐々に眼の輝きがはっきりしてくるように感じる。
二か月近くになり、目の前のゆっくり動くものを少し目で追うこと(追視)もできるようになり、追視できる範囲も徐々に広がっているようだ。
また、眼の輝きからすると、娘宅とわが家の違いも何となく分かるのではと思う。
泣くときは、手足をバタバタさせ体を揺らして泣く。全身を使って表現していると思う。
生命力のエネルギーの凄まじさを感じる。こうして身体、脳の発達と続き、こころを培っていくのだろう。
・新生児の瞳くりくり水蜜桃
(23日)〇映画「THE PROMISE/君への誓い」を観る。
20世紀初頭に起きたオスマン帝国(現・トルコ)による150万人が犠牲となったといわれるアルメニア人虐殺を題材とした、知られざる史実に基づく歴史大作。番組内容は歴史に翻弄されながらも、壮絶な人生を生き抜いた3人の男女の物語。『ホテル・ルワンダ』などのテリー・ジョージが監督を務めた。
アルメニア人虐殺は、19世紀末から20世紀初頭に、オスマン帝国の少数民族であったアルメニア人の多くが、強制移住、虐殺などにより死亡した事件。ヨーロッパ諸国では、特に第一次世界大戦に起きたものをオスマン帝国政府による計画的で組織的な虐殺と見る意見が大勢である。それによれば、この一連の事件は「アルメニア人ジェノサイド」と呼ばれ、21世紀に至る現代でも、オスマン帝国の主な継承国であるトルコ共和国は国際的に非難されている。トルコ政府は、その計画性や組織性を認めていない。(『日本経済新聞』朝刊2019年10月31日国際面に掲載の共同通信記事より)
映画の後半で、家族をはじめ多くのアルメニア人が犠牲となった主人公ミカエルが「復讐を望む」というようなことを言うと、愛する彼女アナは「生き残ることが復讐よ」と語りかける。
アルメニアにルーツを持つアメリカ人小説家ウィリアム・サローヤンの詩とともに、物語は幕を閉じる。
『世界のいかなる権力がこの民族を消せるのだろう。すべての戦いに負け、組織が崩壊し、文学は読まれず、音楽は聴かれず、祈りも通じず、消し去れるか試してみよ。彼らが笑い、歌い、祈ることがなくなるかを。どこかで彼ら2人が出会えば、新たなアルメニアが生まれるのだ。』
・黄落期新たに生まるいのちあり
(24日)〇T・Yさんのこと。
23日にファクスがあり、T・Yさんの携帯に電話して、話を交わしました。
奥さんをはじめみんなに支えられて生かされているという心が伝わってきました。
4日に腸閉そくの痛みで受診、そのまま入院になりましたが、これ以上の治療は無理ということで19日に退院したそうです
その後、24時間対応の訪問介護クリニックに診てもらうことになって、みなさんに支えてもらっての暮らしだそうです。
あまり食べられない状態から、家での暮らしの中で食べたいものが出てきて挑戦しているそうです。そんな中での電話でした。
年内もつかなといっていましたが、声を聴けて嬉しかったです。
奥さんによると、彼女のヘルパーの経験、看護師・介護師の娘たちに支えられての生活だそうです。
・末期がん身に沁むみなに支えられ